不動産売却の手続きの流れと必要書類を解説|失敗しないためのステップと費用・注意点
2025/12/12
不動産売却は、人生で何度も経験するものではありません。多くの方が『手続きが複雑で何から手を付ければいいのかわからない』『予想外の費用が発生しないか不安』と悩まれています。
さらに、マンション・戸建て・土地ごとに求められる書類や流れが異なり、特に相続物件や個人間売買の場合は、準備不足が原因で契約がスムーズに進まないケースも少なくありません。登記・税金・仲介手数料などの費用も項目ごとに異なり、知らずに進めてしまうと『損をした』『トラブルになった』という声も多く聞かれます。
この記事では、不動産売却の全体像から流れや必要書類も手続きごとの注意点まで、わかりやすく解説します。
最後まで読むことで、失敗しやすいポイントや効率的なスケジュール管理法、節税対策までしっかり理解でき、あなたの不動産売却がスムーズに進むヒントが必ず見つかります。まずは最初の一歩として、全体の流れと基本ステップから確認していきましょう。
目次
不動産売却の手続きをわかりやすく解説・全体像と具体的ステップ
不動産売却の流れと7つの基本ステップ
不動産売却は複数の工程を経て進行します。主な流れは次の7ステップです。
- 情報収集・相場調査
売却予定の不動産の価格相場や市場動向を調べます。複数サイトや不動産会社の情報をチェックしましょう。
- 査定依頼・媒介契約の締結
不動産会社に査定を依頼し、売却活動を任せる媒介契約を結びます。専任媒介や一般媒介など契約種別も確認が必要です。
- 売却活動・広告・内覧対応
不動産会社が広告を出し、買主を募ります。内覧対応時は物件の印象も大切です。
- 売買契約の締結
買主と条件が合意できれば売買契約を結びます。契約書類や手付金授受など重要な手続きが発生します。
- 引き渡し準備・各種手続き
抵当権の抹消や必要書類の準備、住宅ローン残債がある場合は精算も行います。
- 残代金決済・物件引き渡し
買主から残代金を受け取り、鍵や関連書類を引き渡します。この時点で所有権移転登記も行われます。
- 税務手続き・確定申告
売却益が出た場合は確定申告が必要になります。税金や申告手続きも忘れず確認しましょう。
これらのステップごとに必要書類や注意点が異なります。下記テーブルで概要を整理しています。
| ステップ | 主な手続き内容 | 必要書類例 |
| 情報収集・相場調査 | 市場動向確認、価格比較 | - |
| 査定依頼・媒介契約 | 査定申込、媒介契約書作成 | 登記簿謄本、本人確認書類 |
| 売却活動・内覧対応 | 広告掲載、内覧案内 | - |
| 売買契約の締結 | 契約書締結、手付金授受 | 売買契約書、重要事項説明書 |
| 引き渡し準備 | 抵当権抹消、必要書類手配 | 登記関連書類、実印、印鑑証明書 |
| 決済・引き渡し | 残代金受領、所有権移転 | 住民票、固定資産税納付書 |
| 税務手続き | 確定申告、納税 | 売却時の契約書、領収書 |
不動産売却期間の目安とスケジュール管理のポイント
不動産売却の完了までには平均3~6か月かかります。物件や地域、時期によっても異なりますが、スムーズな進行にはスケジュール管理が不可欠です。
期間別の目安
- 査定・媒介契約:1~2週間
- 売却活動(広告・内覧):1~3か月
- 売買契約~引き渡し:1~2か月
効率的な進行のコツ
- 査定依頼は複数社に行い、早期に媒介契約を締結
- 必要書類は早めに準備し、取得に時間がかかるものは事前確認
- 内覧対応や買主との交渉には柔軟に対応
- 売却後の税務申告もスケジュールに含めて管理
スケジュールチェックリスト
- 査定申込日
- 媒介契約締結日
- 広告開始日
- 売買契約予定日
- 引き渡し日
- 確定申告期限
これらをカレンダーやタスク管理アプリで可視化すると、漏れなく進められます。
個人売主と法人売主の手続きの違い
不動産売却では、売主が個人か法人かで手続きや必要書類が異なります。主な違いと注意点は下記の通りです。
| 比較項目 | 個人売主 | 法人売主 |
| 必要書類例 | 本人確認書類、印鑑証明、住民票等 | 登記事項証明書、法人印鑑証明、定款等 |
| 税金 | 譲渡所得税、住民税 | 法人税、消費税等 |
| 取引の流れ | 査定・媒介→契約→決済・引渡し | 決算期考慮、社内承認手続きが必要 |
| 注意点 | 相続や認知症時は手続き増加 | 代表者の権限証明、税務処理の複雑化 |
ポイント
- 個人売主は、相続や認知症の場合は法定代理人や追加書類が必要になることがあります。
- 法人売主は、社内決裁や決算期の調整が求められるため、事前準備が重要です。
不動産売却の流れを段階的に解説
下記のフローチャートで不動産売却の全体像が把握できます。
- 情報収集・相場調査
- 複数社に査定依頼
- 媒介契約の締結
- 売却活動(広告・内覧対応)
- 買主と条件交渉
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
- 税務手続き・確定申告
ケース別シナリオ
- 住宅ローン残債あり:決済時に残債を精算し、抵当権抹消登記を済ませる
- 相続した不動産:相続登記を完了し、必要書類を揃えたうえで売却手続きを進める
- 認知症の所有者:家庭裁判所で成年後見人選任手続きを行い、売却準備を進める
それぞれのケースで必要な書類や流れが異なるため、早期の準備と専門家への相談が成功の鍵です。
不動産売却に必要な書類一覧と取得方法
不動産売却をスムーズに進めるためには、各種書類の準備が欠かせません。物件種別や売買方法によって必要な書類が異なるため、事前にしっかり確認し、早めの準備がポイントとなります。下記のテーブルで主な必要書類と取得方法をまとめています。
| 書類名 | 主な取得先 | 主な用途 |
| 登記簿謄本(全部事項証明書) | 法務局 | 所有者・物件内容の証明 |
| 固定資産税納税通知書 | 市区町村役場 | 税金清算・評価額確認 |
| 身分証明書 | 本人保有 | 売主本人確認 |
| 印鑑証明書 | 市区町村役場 | 契約書類への押印証明 |
| 住民票 | 市区町村役場 | 所在地確認 |
| 売買契約書(過去分) | 本人保有 | 物件取得経緯の証明 |
| 建築確認済証・検査済証 | 物件保有者・自治体等 | 建物の合法性証明 |
| 間取り図・測量図 | 本人保有・土地家屋調査士等 | 物件の現況説明 |
これらの書類は用途に応じて原本やコピーが必要となります。取得には日数がかかる場合もあるため、早めの対応が重要です。
売買契約に必要な書類の解説
物件種別ごとに必要書類が異なります。マンションでは「管理規約」や「修繕積立金の証明」、土地では「境界確認書」、戸建てでは「建築確認済証」などが追加で必要となることがあります。
マンションの場合
- 管理規約、使用細則
- 修繕積立金の残高証明
- 管理費等の支払い証明
土地の場合
- 境界確認書、測量図
- 地積測量図
戸建ての場合
- 建築確認済証、検査済証
- 増改築履歴書類
それぞれの書類は所有者が保有している場合も多いですが、紛失時は管理組合や自治体に再発行を依頼できます。各書類の役割を理解し、手続き前に不足がないか確認しましょう。
不動産売買契約当日に必要な持ち物チェックリスト
売買契約当日は、漏れなく書類を持参することがトラブル防止につながります。チェックリスト形式で事前に確認しましょう。
- 登記簿謄本(全部事項証明書)
- 印鑑証明書
- 身分証明書(運転免許証・パスポート等)
- 住民票
- 固定資産税納税通知書
- マンションの場合は管理規約や修繕積立金証明書
- 土地の場合は境界確認書や測量図
- 物件の鍵
- 契約印(実印)
これらの書類や証明書は原本が必要なものが多いので、事前にコピーを取ることもおすすめです。抜け漏れなく準備し、安心して契約日を迎えましょう。
個人間売買と法人売買で異なる必要書類
個人間売買と法人売買では、準備すべき書類に違いがあります。特に法人売買の場合は、法人登記簿謄本や印鑑証明書、会社代表者の本人確認書類などが必要です。
| 売買形態 | 主な追加書類例 |
| 個人間売買 | 本人の印鑑証明・住民票等 |
| 法人売買 | 法人登記簿謄本・法人印鑑証明・代表者の本人確認書類 |
また、特殊ケースでは信託受益権証書や任意後見契約書など、さらに追加書類が必要となる場合もあります。事前に司法書士や不動産会社へ相談し、必要書類を正確に把握しておくことが大切です。
相続物件・認知症所有者の売却時に必要な書類
相続物件や認知症など判断能力に制限がある所有者の売却では、通常の売却手続きに加え、特別な書類が必要です。
相続物件の場合
- 戸籍謄本(被相続人・相続人全員分)
- 遺産分割協議書
- 相続人の印鑑証明書
認知症所有者の場合
- 後見人選任審判書
- 後見人の印鑑証明書・本人確認書類
これらのケースでは、手続きが複雑化しやすいため、専門家のサポートを受けることが成功のポイントです。法的なトラブルを未然に防ぐためにも、書類の不備がないか丁寧に確認しましょう。
不動産売却にかかる税金・費用の種類と計算方法
不動産売却時には、さまざまな税金や費用が発生します。主なものとしては、譲渡所得税・住民税、仲介手数料、司法書士費用などが挙げられます。これらの費用の種類や計算方法を事前に把握しておくことで、予想外の出費を防ぎ、スムーズな手続きを進めることが可能です。不動産売却の流れや、必要書類の準備とあわせて、費用の内訳をしっかり確認しましょう。
譲渡所得税・住民税の計算と課税のタイミング
不動産売却で利益が出た場合、譲渡所得税と住民税の支払いが必要になります。税額は、「譲渡所得」=売却価格−取得費−譲渡費用で算出し、そこから各種特別控除を差し引きます。課税タイミングは売却した翌年の確定申告時です。
| 税区分 | 税率(長期) | 税率(短期) |
| 譲渡所得税 | 約15% | 約30% |
| 住民税 | 約5% | 約9% |
- 長期譲渡所得:所有期間が5年を超える場合
- 短期譲渡所得:所有期間が5年以下の場合
控除制度の有無や所有期間などにより税率が異なるため、売却前にしっかり確認しておくことが重要です。
売却にかかる仲介手数料や司法書士費用の内訳 - 諸費用一覧と相場感の提示
不動産売却では、仲介会社や司法書士に支払う費用が発生します。主要な費用の相場は以下の通りです。
| 費用の種類 | 相場・計算方法 |
| 仲介手数料 | 成約価格×3%+6万円+消費税 |
| 司法書士費用 | 登記の内容や地域で異なる(3万〜10万円目安) |
| 印紙税 | 契約書の金額による(数千円〜) |
| 抵当権抹消費用 | 約1万円〜 |
- 仲介手数料は売却価格に応じて変動します。
- 司法書士費用には登記手続きや証明書発行などが含まれます。
- その他、必要に応じて測量費やリフォーム費用が発生するケースもあります。
節税対策と控除制度の活用法
不動産売却時に利用できる節税制度には、主に特別控除や居住用財産の軽減税率などがあります。不動産売却の利益を抑えたい場合、これらの控除制度の適用条件を確認し、最大限に活用することが重要です。
- 特別控除:居住用財産を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
- 軽減税率の適用:所有期間が10年超かつ一定条件を満たす場合、さらに税率が低くなります。
- 買い替え特例:特定の条件下で新たな住宅購入時に税の繰り延べが可能です。
これらの制度を適切に利用することで、税金負担を大幅に減らすことができます。
売却後の確定申告手続きと必要書類
不動産売却後は、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告を行い、税金を納付します。確定申告の際に必要な主な書類は下記の通りです。
- 売買契約書
- 登記済権利証または登記識別情報
- 仲介手数料などの領収書
- 取得費用の証明書類(購入時の契約書など)
- マイナンバー確認書類
申告手続きは、売却益の有無や控除の有無で必要書類が増減します。不明点は早めに税理士や専門家へ相談することで、スムーズに手続きを進めることが可能です。
不動産会社の選び方と媒介契約の種類・注意点
不動産会社選定の基準とチェックポイント
不動産売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社選びが重要です。主な選定基準は「実績」「地域密着度」「担当者の対応力」「手数料」「口コミや評判」などが挙げられます。特に住宅や土地の種類、エリアごとの売却実績を確認しましょう。
不動産会社には主に「仲介」と「買取」の2タイプがあります。
| 区分 | 仲介 | 買取 |
| 特徴 | 売主と買主をマッチング | 会社が直接買い取る |
| メリット | 市場価格で売れる可能性が高い | 早期現金化・手間が少ない |
| デメリット | 売却まで時間がかかる場合あり | 市場価格より低くなる傾向 |
さらに、複数社への「査定依頼」を行うことで、適正価格やサービス内容を比較できます。売却の目的や物件の状況に応じて、最適な方法を選ぶことが大切です。
媒介契約の3種類(一般・専任・専属専任)とそれぞれの特徴
不動産売却時には、媒介契約を結ぶ必要があります。主な契約形態は「一般媒介」「専任媒介」「専属専任媒介」の3つです。
| 契約種類 | 複数社依頼 | 売主自ら発見の買主との契約 | 報告義務 | メリット | デメリット |
| 一般媒介 | 可能 | 可能 | なし | 幅広い会社と交渉できる | 管理が煩雑になることも |
| 専任媒介 | 不可 | 可能 | 2週間毎 | 担当者が熱心に動きやすい | 1社のみなので比較ができない |
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 1週間毎 | 積極的な営業が期待できる | 売主自らの契約ができない |
選択時は、売却活動のスピードや自分の希望に合う契約を選ぶことがポイントです。報告義務や契約期間、解除条件なども事前にしっかり確認しましょう。
複数社の査定依頼のコツと比較ポイント
より高く、早く売却したい場合、複数の会社に査定を依頼するのが効果的です。査定額だけでなく、対応の丁寧さ、地域情報への理解度、販売戦略の説明力も重要な比較ポイントとなります。
効率的な査定依頼のコツ
- 3社以上に依頼して相場を把握する
- 査定内容や根拠を必ず確認
- サービスの提案力や売却活動の具体性を比較
- 査定価格が極端に高すぎる会社は慎重に検討
下記のリストも参考にしてください。
- 査定書の内容や物件ごとの評価ポイント
- 会社ごとの仲介手数料やサポート体制
- 売却時の宣伝方法やネット掲載力
事前に情報を整理して比較することで、納得のいく不動産会社を選ぶことができます。
不動産会社とのトラブル事例とその予防策
売却手続きでは、契約内容の認識違いや説明不足、手数料トラブルなどが発生することがあります。特によくあるのは「査定時の説明と契約時の条件が違う」「重要事項説明が不十分」「売却後の瑕疵トラブル」などです。
予防策
- 契約書や重要事項説明書は必ず全文を確認し、不明点は質問する
- 査定内容や条件、手数料、売却時期などは書面で残す
- 司法書士や第三者機関への相談も活用する
トラブルを未然に防ぐため、売却活動の各段階で確認作業を徹底しましょう。信頼できる不動産会社を選ぶことが、スムーズな売却への第一歩です。
契約・登記・引き渡しの手続き詳細
不動産売買契約書の重要ポイントと注意点
不動産売買契約書は取引の根幹となる書類です。契約時には、物件情報や売買価格、支払方法、引き渡し時期などを正確に記載し、双方の合意内容を明確にします。特に以下の項目は必ず確認しましょう。
- 物件の所在地や面積、権利関係の記載
- 売買価格・手付金・支払いスケジュール
- 引き渡し条件・期日
- 契約解除の条件や違約金の有無
- 設備や付帯物の有無・状態
トラブル防止のため、重要事項説明書の内容と契約書が一致しているかもチェックしましょう。契約当日は、認印や本人確認書類、印紙などの持参が必要です。専門家へ相談しながら進めることで、見落としを防ぎやすくなります。
所有権移転登記や抵当権抹消の具体的な手続き
売買が成立した後は、所有権移転登記と抵当権抹消登記が必要です。登記手続きの流れは以下の通りです。
- 必要書類を準備
- 司法書士など専門家へ依頼
- 法務局で登記申請
所有権移転登記に必要な主な書類
| 書類名 | 取得先 |
| 登記済権利証(登記識別情報) | 売主が保管 |
| 印鑑証明書 | 市区町村役所 |
| 固定資産評価証明書 | 市区町村役所 |
| 売買契約書 | 双方保管 |
| 住民票(買主) | 市区町村役所 |
抵当権が設定されている場合は、ローン完済後に金融機関から発行される抵当権抹消書類も必要です。申請ミスや書類不備は手続き遅延の原因となるため、専門家と二重チェックを行うことが大切です。
決済・引き渡し当日の具体的な流れと準備物
決済・引き渡し当日は、売主・買主・仲介会社・司法書士が一堂に会し、最終確認と資金の授受、登記手続きを進めます。当日の主な流れは下記の通りです。
- 物件・設備の最終確認
- 残代金の支払い、固定資産税等の清算
- 鍵や関係書類の引き渡し
- 各種書類への署名・捺印
- 司法書士が法務局で登記申請
当日の持参必須アイテム
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 印鑑証明書
- 住民票(買主)
- 売買契約書
- 銀行口座情報
- 実印
- 鍵一式
- 固定資産評価証明書
スムーズな進行のため、事前にチェックリストを準備し、忘れ物がないようにしましょう。
司法書士の役割と費用目安
司法書士は売買契約から登記申請までの各種手続きを代行し、安全な取引をサポートします。本人確認や必要書類の説明、登記申請、抵当権抹消など専門的な業務を担います。
司法書士の主な役割
- 売主・買主の本人確認
- 必要書類の収集・確認
- 登記申請の代理手続き
- 抵当権抹消や所有権移転のサポート
費用目安(売買登記・抵当権抹消含む)
| 登記内容 | 費用相場(円) |
| 所有権移転登記 | 5万~10万円程度 |
| 抵当権抹消登記 | 1万~3万円程度 |
| 書類取得・交通費 | 実費 |
費用は物件や地域、司法書士によって異なるため、事前見積もりを依頼し納得してから手続きを進めましょう。
ケース別の不動産売却手続きとポイント
マンション売却時の特有の手続き・注意点
マンション売却では、管理規約や共有部分に関する確認が不可欠です。売却前には、管理組合から発行される重要事項調査報告書や管理規約、使用細則を必ず入手し、内容を理解しましょう。特にペット飼育やリフォーム履歴、駐車場利用条件など、買主に説明すべき事項が多く存在します。また、修繕積立金や管理費の清算方法も確認が必要です。
| チェック項目 | ポイント |
| 管理規約の有無 | ペット・楽器・リフォーム制限など |
| 共有部分の利用条件 | バルコニー・駐車場等の権利確認 |
| 修繕積立金・管理費の清算 | 売却時の負担範囲を明確に |
| 管理組合への連絡 | 売却情報の共有と必要手続き |
マンション特有のルールや制約事項を見落とすと、売却後のトラブルにつながるため、事前確認が大切です。
土地売却の手続きと個人間売買の注意点
土地売却では、境界確定と権利関係の整理が最重要ポイントです。特に個人間売買の場合、トラブル防止のため第三者である司法書士のチェックを受けると安心です。隣地との境界を明確にし、必要に応じて測量図や境界確認書を用意します。また、所有権移転登記や固定資産税の精算も忘れず行いましょう。
境界確定の流れ
- 隣地所有者との立ち会い
- 境界票の設置
- 測量図の作成・取得
権利関係の整理
- 抵当権や地役権などの有無を確認
- 所有者情報の正確な把握
個人間売買では、契約書の作成や登記費用の負担分担も明確に定めることが重要です。
相続・実家売却の手続きと相続登記
相続や実家の売却では、相続登記の完了が第一歩となります。全相続人の合意が不可欠であり、遺産分割協議書の作成が必要です。また、所有者が認知症の場合は成年後見人の選任申立てが求められます。
相続登記完了後、必要書類を揃えて売却手続きを進めます。
| 必要書類 | 取得先 |
| 相続登記済証 | 法務局 |
| 戸籍謄本・住民票 | 市区町村役場 |
| 遺産分割協議書 | 相続人で作成 |
| 成年後見登記証明 | 家庭裁判所の場合あり |
認知症所有者が含まれる場合は手続きに時間がかかるため、早めの準備が不可欠です。
一戸建て売却の流れと築年数別の注意事項
一戸建ての売却では、築年数や建物状態が価格や手続きに大きく影響します。築浅の場合は住宅ローンの残債確認や瑕疵担保責任の説明が必要です。築古物件では、耐震性やリフォーム履歴の説明が求められることが多くなります。
| 築年数 | 主な注意点 |
| 築10年未満 | 瑕疵担保責任・住宅設備保証・ローン残債処理 |
| 築10~20年 | リフォーム履歴・修繕の有無・耐震性の説明 |
| 築20年以上 | 解体費用の見積もり提示・建物評価の減額リスク |
- 建物状況調査(インスペクション)の実施
- 境界確認や登記簿情報の取得
建物の状態を事前に把握し、買主への説明責任を果たすことが信頼構築と早期売却のポイントです。
不動産売却で失敗しないためのコツと注意点
不動産売却で起こりやすいトラブルと対処法
不動産売却では、想定外のトラブルが発生しやすいです。特に多い失敗例は、必要書類の不備、価格設定の誤り、契約内容の把握不足などです。事前に売却の流れを理解し、下記のようなポイントを押さえておくことが重要です。
- 必要書類を早めに準備する
- 複数社に査定を依頼し、相場を確認する
- 契約前に内容を十分に確認し、不明点は専門家に相談する
下記の表では、主要な失敗例と回避策をまとめています。
| 失敗例 | 回避策 |
| 必要書類の不足 | 書類一覧を事前に確認し、早めに入手する |
| 価格設定ミス | 一括査定や近隣相場の調査を行う |
| 契約条件の理解不足 | 重要事項説明・契約書の内容を丁寧に確認する |
| 売却時期の誤り | 市場動向や住宅ローン残高を考慮して時期を選ぶ |
価格交渉の進め方と値下げ判断のポイント
価格交渉は売主にとって大きなストレスですが、冷静に対応することで納得のいく結果に導けます。値下げの要望があった場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- 相場や査定価格をもとに根拠ある価格設定をする
- 買主の事情や交渉理由をしっかり把握する
- 不要な値下げを避けるため、譲歩できる範囲を事前に決めておく
交渉の流れや考慮すべき点を整理します。
| 交渉ステップ | チェックポイント |
| 価格提示 | 相場・査定結果と比較し妥当性を確認 |
| 値下げ要求への対応 | 理由を問う/譲歩の上限を決めて交渉 |
| 契約内容の再確認 | 付帯設備・引渡し条件などを明文化 |
根拠をもって交渉し、安易な値下げには慎重に対応しましょう。
法律・税務面で避けるべきNG行為
不動産売却には法律や税金に関する重要な注意点があります。特に以下の行為は絶対に避けましょう。
- 登記手続きや書類に虚偽記載をしない
- 税金の申告漏れや納付遅れを起こさない
- 契約書や重要事項説明をよく読まずに署名しない
特に税金については、売却益が発生した場合の譲渡所得税や住民税、確定申告の手続きも必須です。相続や認知症の場合は、代理人や法定後見人の手続きが必要となります。司法書士や税理士などの専門家に相談することで、トラブルを未然に防げます。
成功者の体験談と口コミから学ぶポイント
実際に不動産売却に成功した方の体験談には多くのヒントがあります。
- 「複数の不動産会社に査定を依頼したことで、希望に近い価格で売却できた」
- 「事前に必要書類をそろえ、スムーズに契約締結まで進められた」
- 「税金や諸費用を早めに確認し、手元に残る金額を正確に把握できた」
口コミや体験談からは、事前準備の大切さや、専門家への相談の有効性がよく分かります。売却のコツや注意点を活かし、安心して手続きを進めましょう。
不動産売却に関するよくある質問と疑問解消
売却手続きの流れに関する質問
不動産売却の手続きは、以下のような流れで進みます。
- 物件の査定依頼と価格決定
- 媒介契約の締結(仲介会社と契約)
- 買主の募集・売買契約の締結
- 物件の引き渡しと登記手続き
各段階で注意したいのは、査定価格が相場と合っているか、媒介契約の種類(専任・専属・一般)を理解しているか、契約書の内容に問題がないかなどです。売買契約時には、手付金や契約解除に関する条件も確認が必要です。不動産会社や司法書士への相談で、流れを明確に把握することが失敗を防ぐポイントです。
必要書類や税金に関する質問
売却に必要な主な書類は以下の通りです。
| 書類名 | 主な内容・注意点 |
| 登記済権利証・登記識別情報 | 所有権を証明する重要書類 |
| 固定資産税納税通知書 | 税金の精算や評価額の確認に使用 |
| 身分証明書・印鑑証明書 | 売主本人確認や契約時に必要 |
| 建築確認済証・検査済証 | 建物の合法性を証明する |
| 管理規約・修繕履歴(マンションの場合) | 管理状況や修繕内容を買主へ説明するため |
また、不動産売却では譲渡所得税や住民税が発生する場合があります。売却価格や所有期間、取得費用、特例の有無によって税額が異なるため、事前に確認し、必要に応じて確定申告の準備も進めてください。
売却費用や手数料に関する質問
不動産売却時にかかる主な費用は下記の通りです。
- 仲介手数料(売買価格×3%+6万円+消費税が上限)
- 登記関連費用(抵当権抹消登記など)
- 譲渡所得税・住民税
- 印紙税(契約書に貼付)
- 司法書士報酬(登記手続き等)
売主負担と買主負担が明確に分かれている費用もありますので、契約前にしっかり確認しましょう。特に仲介手数料は金額が大きくなりやすいため、計算方法と支払いのタイミングを理解しておくことが大切です。
契約や引き渡しのタイミングに関する質問
売買契約締結から引き渡しまでの期間は、通常1~2か月程度が目安です。買主のローン審査や引っ越し準備など都合によって前後することもあります。
契約日の設定では、手付金の受け渡しや各種書類の準備が整っているかを事前に確認しましょう。引き渡し日は売主・買主双方のスケジュールを調整し、トラブル回避のためにも余裕を持たせて設定することが推奨されます。
トラブル防止や相談窓口に関する質問
不動産売却でトラブルが発生した場合、信頼できる専門家への相談が重要です。
- 不動産会社の担当者に連絡
- 司法書士や税理士のサポートを受ける
- 各都道府県の宅地建物取引業協会への相談
契約や登記に関する疑問、売却後の税金や費用負担、相続や認知症など特別なケースにも迅速に対応できるよう、早めに相談窓口を把握しておくことが安心につながります。不明点があれば、必ず専門家へ問い合わせてください。
会社概要
会社名・・・株式会社MINAMI
所在地・・・〒250-0874 神奈川県小田原市鴨宮343−2 A 203
電話番号・・・0465-43-9873
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ミナミノイエ
神奈川県小田原市鴨宮343−2 A 203
電話番号:0465-43-9873
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